肺気腫(慢性閉塞性疾患・COPD)とは
[どんな病気?]
肺は、喉の声帯(せいたい)から気管支につながり、どんどん気管支が枝分かれし、最後は肺胞(はいほう)という小さな袋のような構造になっています。その肺胞がブドウの房のように何億個とあつまって肺が形成されています。この肺胞の表面にメロンの皮のように毛細血管がまとわりついて、肺の主な機能である酸素と二酸化炭素の交換が行われます。肺気腫は、主にこの肺胞の壁が破壊された結果、肺胞が正常よりも大きく風船のようにふくらんだ状態となり、吸った空気がうまく吐き出せなくなることをいいます。肺が労作時(ろうさじ:体を動かしたとき)の呼吸とともに、どんどん過膨張(かぼうちょう:吸った空気が吐き出せず、肺が膨らんだ状態のままになる)になり、息切れ、呼吸困難が生じます。ゆっくりと進行し、通常は不可逆性(ふかぎゃくせい:元にはもどらない)の病気です。
徐々に進行するため自覚的には気がつきにくく、多くは坂道や階段がつらくなったり、風邪をきっかけに呼吸困難感増強などを主訴に外来受診し肺気腫を指摘されます。
[病気の原因]
最も大きな原因は長期間にわたる喫煙です。わが国では、推定530万人が罹患している(病気にかかっている)と考えられています。受動喫煙(じゅどうきつえん:他の人の吸ったタバコの煙を吸入すること)、大気汚染、職業暴露なども原因になります。一部、遺伝性(α1アンチトリプシン欠損症)もあります。
[主な症状]
安静時は問題なく、労作時の息切れ、呼吸困難感出現です。安静にすると症状は軽減します。また慢性気管支炎も併発していることが多く、風邪もひいていないのに常に痰がでる状態の方もいます。一部の方は、喘息のようにゼーゼー、ヒューヒューと音が鳴る喘鳴(ぜんめい)が生じることもあります。
[検査や治療について]
診断は、胸部レンドゲン・CT、呼吸機能検査(スパイロメトリー)などによって行われます。
呼吸機能検査で1秒率(1秒量/努力性肺活量:つまり、どれくらい息が吸えるかではなく、1秒間でどれくらい息を吐けるか)70%以下を閉塞性換気障害とし、1秒量の低下の度合により病期分類(重症度分類)をしています。
治療は、禁煙が大前提です。健康な人も年齢とともに肺機能は低下しますが、肺気腫の患者さんのほうが、年齢にともなう肺機能低下の度合が大きくなりますその肺機能低下を抑制するには禁煙が有効といわれています。症状緩和に気管支拡張剤(吸入、内服、貼付)、ステロイド剤(吸入、内服)、呼吸リハビリテーションが有効です。とくに最近では長時間作用型気管支拡張剤(なかでも1日1回吸入する抗コリン作動薬)の有効性が多く報告されています。
[予防法]
肺気腫の患者さんは、風邪などの気道感染をきっかけに症状の急性憎悪をきたすことがあります。手洗い、うがいの励行に努め、気道感染合併時はなるべく早く治療をうけることをおすすめします。
[受診に適した診療科]
内科、呼吸器科
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